「今日まで沖縄県が自ら基地を提供したことはない。(米軍が)銃剣とブルドーザーで強制接収した」(最近の沖縄に思う)

先日の菅・翁長知事会談での知事発言である。

感じることがあり、ここに書いておく。

私は2度沖縄勤務をした。通算4年半になる。その中で好むと好まざるとにかかわらず、沖縄について多くのことを学んだ。昔は群雄割拠の時代があり、世界遺産にもなっている美しい城跡が多くある。尚氏が統一し、その温和な県民性とともに交易で栄えていた。その後、薩摩に隷属され、薩摩経済を支える存在として明治を迎えた。

第2次大戦では本土決戦の時間稼ぎのため、摩文仁に追い込まれるまで沖縄県民を盾に戦い続けた。これを指導した陸軍の話は有名であるが、他にもいろいろな話がある。

沖縄では出身地ごとに部隊が編成された。京都府出身舞台は普天間飛行場を見下ろす嘉数の高台の守備に当たった。ここも初期の激戦地で物量に勝る米軍とよく戦い、全員玉砕した。京都府の慰霊碑は摩文仁ではなく、ここにある。

1,945年6月23日以降、沖縄はそのまま米軍の支配に長く入ることになった。

しかし、沖縄が積極的に基地を提供した事実はない。まさに知事の発言の通りである。本土復帰後も含め、本土の人はそれをいいことに問題を沖縄に押し付け、他人事のように見て見ぬふりをしてきたと言って良いだろう。

鳩山首相の発言はあまりにも唐突で、国内で議論を呼び起こすこともなかったが、彼は沖縄のこのような状況は理解していたと思われる。

知事のこのような強い発言は沖縄県政上初めてではないだろうか。沖縄はもっと主張すべきである。沖縄には主張する資格がある。はたして現政権の幹部は沖縄の現代史を良く学んでいるのだろうか。それならあのような発言は出てくるはずはないのだが。

沖縄にエールを送りたい。もう言われるままにいるべきではない。