悲憤慷慨して癌で逝った叔父(記憶の中から)

30年程前私がタイ政府道路局に専門家として派遣されている時だった。子供の頃から私を自慢の甥として可愛いがってくれた母の弟、T叔父が胃癌で逝った。帰国してから弔問に訪れたところ、叔母の話だと、その前に受けた健康診断で何の異常もなく、本人は診断見落としの医療瑕疵だと最後までくやしがりながら亡くなったとのことであった。

今回自分の癌が発見されるにあたり、完全に忘却のかなたにあったことだが、叔父の癌もスキルス性の物であったのだろうと確信するようになった。近所に住んでいた叔父にキャッチボールをしてもらったことや、学生時代、京大大型電子計算機センターで作業したときいつも宇治のお宅に泊めてもらい歓待されたことが思い出されてくる。